この記事の監修者
医師・医学博士、ウルセラ認定医
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
日々、研鑽しています。
最も信頼され、感謝されるクリニックでありたいです。
ボトックスは、特に表情を動かした時に寄るシワに対して有効です。真顔の時は特にシワは気にならないけど、表情を動かすと過剰に寄ってしまう、「眉間」、「目尻」、「額」などの表情ジワを改善する効果があります。
ボトックスは何よりもシワが刻まれるのを予防してくれる効果があります。表情をよく動かす部位は、やがて無表情の時でもシワが刻まれてきます。無表情の時はシワが気にならなかったのに、いつの間にか線が刻まれて、どんどん深いシワと化していくパターンが多いです。
ボトックスを打つと過剰な表情の動きが自然と抑えられます。一定期間、そのシワの原因となる表情をしない時期がある為、動きの癖が取れ、刻まれるシワを予防してくれる効果があります。
ボトックスには汗の分泌を抑える効果がある為、多汗症の治療にも用いられています。
ワキ、手のひら、足の裏、頭皮等に適応があります。美容では、エチケット目的としてワキの汗を抑制するワキボトックスなどが特に人気があります。
ボトックスを注射すると、神経と筋肉の間の伝達を鈍くする作用が働き、筋肉がリラックスした状態になります。過剰な筋肉の動きが抑制されるため、次第に発達した筋肉が小さく痩せていきます。
お顔の場合は、エラ(咬筋)に打つことで小顔にみせる効果、体の場合は、ふくらはぎの筋肉に打つことで脚を細く見せる効果、また、肩の凝り固まった筋肉に打つと肩こりが改善するなど、様々な効果が期待できます。
「マイクロボトックス」という治療方法があります。
通常ボトックス治療は、ボトックスを筋肉に直接注射して弛緩させることにより表情ジワや筋肉の発達を改善します。マイクロボトックスは、ボトックスを直接筋肉には注射せずに、皮膚の浅い層に少量ずつ細かく注入していく方法です。
マイクロボトックスは、筋肉へ作用させるのではなく、皮膚への作用になる為、皮膚の引き締め、小じわの改善、肌のハリ改善、毛穴の改善などの効果が期待できる治療方法です。
ボトックスによるたるみのリスクは、エラ(咬筋)のボトックスに対して言われることが多いです。エラ(咬筋)のボトックスは、やりすぎると口元のたるみの原因になります。
ボトックスの作用で筋肉が痩せ、ボリュームが無くなり小顔に見えるようにはなりますが、ボトックスは皮膚の表面には作用していないため、皮膚が余ります。余った皮膚が「たるみ」として残るというメカニズムです。
エラ(咬筋)のボトックスは効果が分かりやすく非常に人気がありますが、依存し過ぎると口元にたるみが生じる可能性がありますので、適度に取り入れることをお勧めします。
ボトックスは、良くも悪くもとても結果の出やすい治療です。ボトックスが原因でたるんでしまう理由は大きく分けると、「治療の間隔が短すぎる」、「1回に注入する量が多すぎる」などがあげられます。
治療する部位などによっても異なりますが、治療の間隔や注入量に関しては、必ず医師と相談しましょう。
ボトックスの効果は永遠ではないので、万が一効きすぎてしまっても、時間と共に自然に元に戻ります。そうは言われても、元に戻るまでの数か月がストレスに感じる場合は、皮膚にアプローチをかける治療を取り入れてみましょう。
ボトックスによるたるみの原因は、筋肉の厚みが無くなり、皮膚がそれに伴って収縮しきれずに余っている状態なので、皮膚の余剰を引き締めるようなたるみ治療、「医療ハイフ」や「ニードルRF(高周波)」を取り入れることで皮膚が引き締まり、たるみの状態を緩和できるでしょう。
加齢による影響もありますが、口元のたるみはボトックスの効果が切れても、そのまま残ることもあります。たるみ治療との併用で、そういったリスクを軽減させることも可能です。
治療間隔などを適切に行えば、素晴らしいエイジング治療です。過剰に取り入れるとたるみのリスクにつながるので、気をつけましょう。
ボトックス注射について、たるみとの関係を詳しく解説しましたが、基本的にはボトックスは効果が分かりやすく、副作用があっても自然と元に戻る安全な美容治療です。やり過ぎなければたるみのリスクも怖がる必要はないでしょう。
さらに言えば、表情筋によるシワの治療やシワ予防に対してはボトックス注射に勝るものはありません。上手に取り入れてアンチエイジングをしていきましょう。
ご自分の理想やこだわりに合わせて上手く取り入れると、心強い味方になります。